『グッドビジネスと言う名の男』8月24日(火)
色づいた枯れ葉が舞う秋の道を歩いている。
一緒に歩いているのは車いすに乗ったメガネの白人男性だ。
彼は人の相談事を聞くことを仕事にしているらしいのだが、いかにも可笑しそうに相談にやってくる客のことを僕に話す。
「僕のクライアントにグッドビジネスという名前の男がいるんだよ。
いいかい、苗字がグッドビジネスなんて言うんだよ。
変わってるだろ?
彼の人生は全てうまく行っていて、女にもモテまくってるんだ。
なんで僕のところに相談に来ているのか皆目わからない。
話を聞いているこちらが滅入るくらいなんだよ。」
と楽しそうに話している。
秋の風は涼しくてとても気持ちが良い。
『動画投稿と「脳みそ夫」似の男』8月23日(月)
朝起きると頭がはっきりせずまどろみの中にしばらくいる。
頭の中に「第二次大戦中に起きた全ての善いことも悪いことも、フラットに社会学の立場から論じられねばならない」
という文章が浮かび、浮かぶままに動画に撮り、SNSにアップする。
寝ぼけたまま起きると、家中に訪問客があふれている。
「選考から漏れて残念だったね」
などと口々に言われる。
先ほどの動画が何かの選考対象になりかけたということらしいが、あんな動画が何かの選考対象になったこと自体、意外である。
一人の男が、タイトなスカートの女性もののグレーのスーツを着て現れる。
お笑い芸人の「脳みそ夫」に似ているが知らない人だ。
「いやあ、あの動画、良かったっス~」
とふざけた感じで言ってくる。
僕は仕事に行かなければいけなくて半袖のYシャツを着ようとしているが、うっかり妻のブラウスを着ようとしていることに気づく。
自分のYシャツを探していると、先ほどの「脳みそ夫」に似た男が散らかった台所を片付けてくれている(卵のカラを片付けたり)。
ありがたいが少し嫌な気分になる。
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