『下駄の鼻緒を直す/背中で教える職人』8月3日(火)
僕は中学校の生徒。
土砂降りの雨の中、これから体育館では全校集会が開かれるようだ。
僕は下駄箱で靴を脱いで、校舎で履くことになっている下駄(!)を出して履いてみる。
すると、鼻緒がとても長くなってしまっていて、ゆるゆるで歩けない。
自分で短く直すしかないか、と思ってやっていると、近くに下駄職人(おそらく)がいて、他の下駄を直している。
何も言葉は発さないものの、彼はこちらを気遣ってくれているような素振りで丁寧に鼻緒を直す手順を繰り返している。
僕は見よう見真似で自分で直すことができた。
集会には大遅刻だが、下駄は足に最高にフィットしている。
寡黙な職人に感謝。
『竜宮からの男』8月2日(月)
少し荒れ模様の海辺にいると、男が海面から顔を出す。
「いやいや、どうも。荒れてますね~、海」
といった感じでフランクな男で、肩のあたりまで波間から出したまま仕事の話などをする。
男は海底の竜宮城に住んでいるとのことだが、地上の人間ともこうして仕事をしているのだ。
打ち合わせが終わると、ザプンと水に潜り、僕は荒れた海に取り残される。
海面は荒れているが、海底の竜宮城はさぞや穏やかなのだろう、と思った。
『猫になった僕は犬に撫でられる』8月1日(日)
大学の頃の女友達が夫婦で家に来る。
彼らもレザークラフトをやっているとかで、その話をしたりする。
彼らは犬を連れてきている。
女友達が呼ぶと、犬は西へ傾いてきた太陽を背にしてこちらへ走ってくる。
近づいてくるにつれて、犬は2足歩行になり、太陽を背にして人のようなシルエットが目の前に現れる。
犬は座っている僕を見下ろす格好で
「こんにちは。元気?」と人間の言葉で言う。
逆光で顔は見えない。
犬は僕の頭を撫でてくれて、包み込まれるような優しさを感じた僕は、思わず猫の気持ちになり
「ニャン」と言ってしまう。
コメント