『家中の魚と体力測定』8月7日(土)
いつのまにか家中に大小さまざまな水槽が設置されていて、50~60㎝ほどの鯉や、金魚やフナがいる。
金魚やフナは小さいので、鯉に食べられてしまわないか心配になる。
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体力テストがあって、自分ではできたつもりだったのに、看護師さんに
「あまり結果はよくなかったですね。たぶんお歳だと思います…。」
と、オブラートにも包まずストレートに言われる。
周りを見ると、高校の時の剣道部の仲間がいて、彼らは同じテストで良い結果を出したようだったので、僕は自分の老化と健康の悪化を疑わざるを得なかった。
『歌唱の天才/幼馴染は居候』8月6日(金)
美輪明宏が審査員をつとめるテレビのオーディション番組。
さえない感じの10代くらいの男が出てくる。
普段は仲間にいじめられている、という情報も織り込まれる。
「僕は、数万曲の歌を暗記していて、それを750の言語で歌うことができます。」
とキッパリとした口調で言うと、曲が流れて歌い始める。
曲はどんどん移り変わっていく。
どの歌も日本語だが、完璧に歌いこなす。
また、驚くことに彼の見た目は曲が変わるたびに変貌していく。
ある曲では男、次の曲では女、また次には老婆、少年・・・。
美輪明宏も「素晴らしい才能です。感動しました!」
と賛辞を贈る。
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実家に帰ると、幼馴染の秋山君が居候(いそうろう)している。
彼には最近なにか大変なことがあったそうで、うちの両親が住まわせているのだと言う。
見たところ、かなり自堕落に過ごしているのだが、両親は何も言わない。
夜ごと家を抜け出しては仲間とスマホゲームに興じているのだとか。
『破壊の男』8月5日(木)
その男は、意のままに一つの家、一つのビル、一つの街を特殊な魔法のような能力で滅ぼすことができる。
指一本を操作するだけで。
僕は彼の作った会社に勤めているが、彼の能力を恐れながら同時にその能力に憧れのようなものを抱いており、恐ろしい男のそばを離れることができない。
折しも、男は指の先から煙のような怪しげなものを出し、またひとつ街をこの世から蒸発させたところだった。
彼の眼は、怒りと悲しみを同時にたたえているようだった。
※漫画『ドロヘドロ』に出てくる煙(えん)さんというキャラに似ていた。ドロヘドロ – Wikipedia
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