『白いクジラ』10月13日(水)
釣り竿と網を持って川へ行く。
浅瀬にドジョウやヨシノボリなどがいる。
網ですくうと、簡単に何匹か入るが、中に丸々とと太った見慣れない魚がいる。
腹がエメラルドグリーンのグラデーションで美しく光っている。
海の魚のように見える。汽水域なのだろうか。
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上流の方へ行くと、ダムである。上流の水を貯めている。
ダム湖は奥が見えないくらい広い。山が迫っていて、山の裾と湖が溶け合っているように見える。
モヤのせいかもしれない。
やはり釣りに来ている3歳くらいの男の子とおじいさんが横にいて、彼らが釣り糸を垂れると、水面下に白い巨大な生き物がいるのがわかる。
ありえないほど大きい。
僕も釣竿を振って、遠くの方に糸を投げる。
すると、途端に食いつきがあって、巨大な真っ白いシロナガスクジラが空を覆うように飛び上がり、また水の中に消えていった。アルビノなのだろうか。色素というものが全く無いようだった。
目視では50mくらいの体長があるようにも見える。
その存在の神秘と巨体にしばし圧倒され、僕や呆然と立っていた。
釣り竿は、たぶんそのまま持っていかれたような気がするが、全く気にもならない。
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