『人を動かす 』D・カーネギー 著  山口博 訳 創元社        その6(パート3 人を説得する十二原則のうちの9~12)

本の紹介

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『人を動かす』を少しずつ読んで紹介しています。

人を説得する十二原則

3パート目は 「人を説得する十二原則 」ですが、今日は⑨~⑫までを紹介したいと思います。

⑨ 同情を寄せる~相手の考えや希望に対して同情を寄せる。

⑩ 美しい心情に呼びかける~人の美しい心情に呼びかける。

⑪ 演出を考える。

⑧ 対抗意識を刺激する

⑨ 同情を寄せる~相手の考えや希望に対して同情を寄せる。

口論や悪感情を消滅させ、相手に善意を持たせて、あなたの言うことを、おとなしく聞かせる魔法の文句を披露しよう―――

「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう。」こう言って話をはじめるのだ。

本書:P229

営業の仕事をしていると、クレームを受けたりすることがどうしてもあります。納得できる場合もあるし、そうでないこともあります。時には全くお門違いに思われるクレームもあります。納得できないときにこちらの主張をそのままぶつけてしまうとあまり良い結果にはつながらない、と自分の経験を振り返っても思います。

じゃあ、どうしたら良かったんだろう。これからどうすればよいのだろう?おそらく、カーネギーの言うように、相手のクレームの内容を頭から否定するのではなく一旦、その相手の主張に寄り添って、同情し、そこから話を進める、と言うのは良さそうに思われます。

とっさに何か言われた時にこんなふうに返すことができるかわかりませんが、試してみる価値はありそうです。

⑩ 美しい心情に呼びかける~人の美しい心情に呼びかける。

人間は誰でも理想主義的な傾向を持ち、自分の行為については、美しく潤色された理由をつけたがる。そこで、相手の考えを変えるには、この美しい理由をつけたがる気持ちに訴えるのが有効だ。

本書:P240

言い換えると、人間はみんな「綺麗ごと」が好きということなのかなあ、と思いました。「綺麗ごと」というと何か揶揄しているような印象になってしまいますが、人間はできれば「善い行いをしたい」とか「これは何かの役に立っている(たとえば環境問題とか)」という認識を持ちたがっているんだろうなあ、と。

本の中では、ノースクリフ卿と言う人の話が紹介されています。彼はある時、載せてほしくない自分の写真が新聞に出ているのを見て、抗議の手紙を書いたのですが、ストレートには書かず、

「あの写真は、もう新聞に発表しないでいただきたい―――母が大変嫌がるものですから」

本書:P241

と書いたのだそうです。確かに、こう伝えれば誰も傷つかないし、新聞社側も気持ちよく写真を引っ込められるなあ、と思いました。

後に大編集者となったサイラス・カーティスという人物が駆け出しの頃、雑誌にオルコットという当時の流行作家に執筆を依頼したいのだが、他社と同じくらいの原稿料を支払えなかった。そこで、サイラスはオルコットが支援している慈善団体へ100ドルの寄付を送ることでオルコットの美しい心情に訴えて原稿を書いてもらうことに成功したそうです。

ここで紹介されている手法は、実際使いたい、と思った時に具体的な策を考えるのは難しそうにも思えますが、是非自分の仕事の中などで使ってみたいと思います。

会社の中でみんなで同じ意見を持って進んでいきたい、といったときに、たとえば「会社全体の利益になることなのだ」とか、「社会貢献につながる」といった言葉が有効に響くことがありそうだな、と思ったりしました。

 ⑪ 演出を考える。

現代は演出の時代である。単に事実を述べるだけでは十分ではない。事実に動きを与え、興味を添えて演出しなければならない。

本書:P247

これは、僕自身がとても不得意な視点だと思いました。ことさらに誇張して主張したり、大袈裟に何かを伝える、といったことが苦手なのです。僕の文章を読んでもらえればわかると思うのですが…。

でもだからこそ学びたいな、と思います。

あるレジのセールスマンは、あるお店(とても古いレジを使っている)に行って売り込みをするときに、『あなたのお店では、お客さんが通るたびに、金を捨てているようなものですよ』と言って、本当に小銭を床に落としてじゃらじゃらと音をさせたそうです。それによって店主が聞く耳を持ってくれて、レジを新しく買い替えてくれたとか。

一歩間違えれば怒られそうな感じのやり方ですが、学ぶべきところはありそうです。

⑫ 対抗意識を刺激する。

「仕事には競争心が大切である。あくどい金儲けの話ではなく、他人より優れたいという競争心を利用するべきである」

本書:P254

これも、僕の中にはあまりない感情です。僕の中では、例えば営業の仕事で良い結果が出るかどうか、というのは誰かとの競争という観点にはつながっていなくて、自分の中の納得感とか、プライドに関わる事柄なのです。

でも、それって一般的ではないのかもしれない、とも思います。

他の人達は競争心をベースに仕事を頑張っているのかもしれない、ということを頭に入れておくのは良いかもしれないなあ、と思います。

成功者は皆ゲームが好きだ。自己表現の機会が与えられるからだ。存分に腕をふるって相手に打ち勝つ機会、これが、いろいろな競争や競技を成立させる。優位を占めたい欲求、重要感を得たい願望、これを刺激するのだ。

本書:P257

こういう感情があまりないからこそ、ヨガが好きになったのかも、などと思いました。たしかに、誰かとの競争を好むような人はあまりヨガにはハマらないだろうなあ、と思います(笑)。

今日のまとめ

今日は

⑨ 同情を寄せる~相手の考えや希望に対して同情を寄せる。

⑩ 美しい心情に呼びかける~人の美しい心情に呼びかける。

⑪ 演出を考える。

⑧ 対抗意識を刺激する

について勉強しました。

今回の内容では、僕自身の志向とはあまり合わないところもありましたが、それも含めて、他人はそういった原理で動いているんだな、とか、あえて自分がもともと持っていない方向性を試してみよう、という気持ちにもなりました。

次回もパート4『人を変える9原則』に入りたいと思います。

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