『会社の移転~殺人鬼の涙』2021年5月12日 水
勤めている会社の業績が振るわなくなったとかで、事務所が移転する。プレハブのような作りの建物だが、広さだけはかなりある。事務所が移転しただけではなく、なぜか従業員の家族もそろって引越ししてくる。
ご飯時ともなれば大騒ぎである。広い食堂に皆が集まり、お弁当を食べたりする。小さな子供たちが走り回る。僕はぬか床に入れておいた大量の野菜のことを思い出して取りに行くのだが、ぬか漬けを食べるのは僕だけのようでちょっと作りすぎたと反省したりする。
会社のイベントとして動物園へ遠足に行く。
ただ、行ってみると普通の動物は全然おらず、遺伝子の組み換えか何かで作り出された奇妙な動物ばかりなのだ。
「動物たちとふれあえますよ!」と言われて一つの小屋に行くと、象やキリンや犬の面影を残した、手足の無い蛇のような動物がたくさん出てきて体に巻き付いてくる。非常に気味が悪いのだが、彼らの表情にはどこか憎めないところがある。人工的に作られた生物とはいえ、彼らにも確かに命が宿っているのである。
帰りのバスに乗っていると、遠くから走ってくる男がいる。彼は、長年僕を付け回している殺し屋である。超人的な脚力で、バスと同じか、それ以上の速さで走ってくる。走りながらロケットランチャーで攻撃を仕掛けてきたりする。短い髪をオレンジに染め、たくましい体をしている。
ついに追い詰められた僕を見下ろす彼に、
「君はなんなの?もう、降参。頼むからやめてくれよ」
と言うと、彼はおもちゃを取り上げられた子供のようにポロポロと涙を流す。彼はただただ遊びとして無邪気に殺し屋ごっこをしていたのかもしれない。
『ルパンの絵』2021年5月11日 火
ルパン三世の絵を真っ白い紙に描いていく。
描いている途中、石川五右衛門のことが頭にあったのか、出来上がった絵はルパンと石川五右衛門のちょうど中間のようなものになった。
出来栄えはとても良い。
『やさしい先輩』2021年5月10日 月
会社で、新たに四国の営業活動を任されることになる。四国の病院をまわる医療機器の営業である。
それまで担当していた先輩の営業と一緒に引継ぎのために四国へ行く。
その途中途中で、先輩は僕を意味もなく小突いてきたり、柔道の技をかけてきたりする。
最初は受け流したり、やられたふりをしていたのだが、そのうち面倒くさくなり、逆に先輩にやり返したり投げ飛ばしたりするようになった。(先輩は細い体形で力も僕の方が強い)
途中で、もしかすると彼は僕に自信をつけさせようとしてこんなバカなことをしているのでは?と思い始めた(昭和の不良か!)。なんとも不器用でやさしい先輩である。
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