『CDを取りに行く~戦争』(2021年5月2日 日)
見渡す限りの田園地帯にいる。それは僕が通っていた中学校の前の風景に似ている。
遠くのあぜ道を自転車に乗って走っている二人の人がいる。
それは、昔会社にいた僕が苦手だった人と、取引先の人だった。
彼らは僕のところまで来ると、僕の作っているCDが欲しいんだよ、と言う。正直うれしい。
その場にはCDがなかったので、事務所まで連れていくことにする。
その事務所は小学校か中学校の校舎の中にあった。
教室のような、大きな岩をくりぬいて作ったような部屋だった。
事務所に着くと、CDが欲しいと言ってくれる見知らぬ人たちが他に6~7人いた。
CDを渡そうとしたがそこにもCDは無く、そういえば裏にある山の中に隠してあるのを思い出した。
僕は彼らを待たせて、廊下に出た。
校舎の中では戦争が起きていた。
日本兵のように見える人たちと、他の国の人たちがマシンガンで応酬しあっている。
でもそれは僕には関係のない、「戦争屋さんたち」だけのことだとどこかで思っていた。
「ちょっとすみませんね~」と言う感じで壁や柱に隠れながら歩いていくのだが、そのうち戦火は悪化の一途をたどる。
窓が割れたり、細い柱が粉々に砕けたりする中で、さすがに鈍い僕にも、この戦争に無関係ではいられないということがわかってきた。
『口にしてはいけない言葉』(2021年5月1日 土)
何かのセミナーで合宿所に泊まっている。
食堂でご飯を食べていると、参加者の一人が全裸のまま僕のテーブルのところまできて座ったきり動かなくなる。
あからさまに僕への嫌がらせである。僕の方も彼のことをあまり好きではないこともあって、ふつふつと怒りがこみあげてくる。周囲の人たちも僕に対して同情的である。
ついに我慢しきれなくなり
「ねえ、やめてくれないかな。ほんと、キモチワルイからさ。」
その途端、その場の空気がサッと変わったのがわかった。
指導者の人間が僕らの前に現れると、裸の男のみならず僕も含めて明日の朝には合宿所を去るように申し伝えた。
言ってはいけない言葉を言ったことが分かった。去るより他ないのだった。
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