『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』サンキュータツオ著 角川文庫

本の紹介

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この本は漫才コンビ米粒写経のサンキュータツオによる、国語辞典の奥深い世界への案内書です。サンキュータツオは、僕の中では”東京ポッド許可局”の3人のうちの一人(他のメンバーはマキタスポーツとプチ鹿島)というのが最初の出会いだったような気がします。東京ポッド許可局 – Wikipedia僕も最近は聞かなくなってしまっていますが、この本を読んだのをきっかけに東京ポッド許可局をまた聞こうかな、と思っています。3人のおじさんたちがいろんな題材を寄ってたかって論じていくという無類に面白いラジオ番組です(以前はPodCastだった)。サンキュータツオは早稲田大学~大学院で日本語学を学んだ学者芸人としても知られており、この本は彼のそんな側面とお笑い芸人としての面白さが両方いただけるお得な一冊です。

国語辞典に対して、言葉の意味を調べるためのものでしょ、といった淡白な印象しか持っていなかった僕にとって(おそらくそういう方がほとんどだと思うんですけど)、この本は目からウロコの内容がたくさんあると思います。

辞書によって書いてあることが違う

「うつくしい」という言葉ひとつとっても、辞書によって書き方は様々なのだそうです。

『岩波国語辞典』(岩波書店)は、「目、耳、心に、うっとりとさせる感じで訴えて来る」とあります。「何が訴えて来るの?」

『新明解国語辞典』(三省堂)は、「いつまでも見て(聞いて)いたいと思うほど」なんて時間の感覚が導入されている。

本書:P20

上の例は一部ですが、こういった形で、本の中では6種類の辞書に書かれた「うつくしい」への説明が並べられており、書かれている内容が違います。(お笑い芸人としての彼の、辞書へのツッコミもいたるところで良い味を出しています。)こういった記載内容の違いは執筆している方やチーム、出版社の編集方針の違いによって出て来るそうです。

読者のみなさんは、「辞典なんて、人のあたたかみを感じない単なる説明的記述が載っているだけだ」と思っていませんか?もうおわかりだと思いますが、どんな辞書にも、執筆者や編者がいて、その人たちの「想い」というものが存在しています。そして、執筆者たちは、その個々の感情を押し殺してあくまで冷静に記述しようと心がけている。だから、記述の端々にぬくもりや個性が、のぞいてしまう……。そういう愛すべき書籍なのです。

本書:P22

この本の文庫版には、巻末に小説家三浦しおんによる解説がついているのですが、彼女の『舟を編む』という小説を僕も読んだことがあります。一つの辞書が出来上がるまでの、その作業にかかわる人々の熱い想いやドラマが感動的に書かれた小説で、最後は涙なしには読めませんでした。この小説を読んでいると、上に引用した部分も本当にそうだよなあ、と思えます。辞書にまつわる本としてとてもおすすめです。

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同じ辞書でも版によって書いてあることが違う!

普通の辞書ユーザーはあまり意識することが無いと思いますが(僕もです)、同じ辞書でも改定されていくごとに編集方針が変わったり、一つの単語に対する説明も変わっていくものだそうです。でも、たしかに、そうでないと改定する意味がないですもんね。

『新明解国語辞典』はユニークな説明(語釈)で有名だそうですが、「恋愛」という言葉の変遷が非常に面白いです。本の中では初版、三版、五版、六版、と記載があるのですが、ここでは初版と三版のみ書いてみます。

(初版)一組の男女が相互に相手にひかれ、ほかの異性をさしおいて最高の存在としてとらえ、毎日会わないではいられなくなること。

初版の段階でもはや中毒症状的な側面に焦点をあてる画期的な語釈!「ほかの異性をさしおいて」って、たしかにそうなんだけど、なんか「ほかの異性」の存在が雑!

(第三版)特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態。

「合体」キター!『釣りバカ日誌』と『創聖のアクエリオン』でしか「合体」ということばを使わないと思っていましたが、まさか『新明解』が源流だったとは!そして「ほかの異性」がどこにいったのかは非常に気になります。「特定の異性」という言葉に集約されてしまった?

これだけ見ても面白くないですか?

様々な国語辞典の紹介

この本では、様々な国語辞典を男性のキャラ(アニメぽい感じ)になぞらえて(都会派インテリメガネ君とか)面白く紹介してくれています。サンキュータツオはアニメやBL(ボーイズラブ)にも詳しかったりするので、そういった独特のアプローチがとても面白いです。あとはオススメ辞書占いとか、国語辞典の情報弱者でも楽しめる要素がいろいろありました。

僕としてはいまのところ、『新明解国語辞典』と『日本語 語感の辞典』を手に入れたいと思っています。(`・ω・´)ゞ

この本の面白さを伝えるのがなかなか難しいのですが、是非お手に取って読んでいただけたらと思います。

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