『人を動かす 』D・カーネギー 著  山口博 訳 創元社        その5(パート3 人を説得する十二原則のうちの5~8)

本の紹介

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『人を動かす』を少しずつ読んで紹介しています。

人を説得する十二原則

3パート目は 「人を説得する十二原則 」ですが、今日は⑤~⑧までを紹介したいと思います。

⑤ ”イエス”と答えられる問題を選ぶ~相手が即座に”イエス”と答える問題を選ぶ。

⑥ しゃべらせる~相手にしゃべらせる。

⑦ 思いつかせる~相手に思いつかせる

⑧ 人の身になる。

⑤ ”イエス”と答えられる問題を選ぶ~相手が即座に”イエス”と答える問題を選ぶ。

人と話をする時、意見の異なる問題をはじめに取り上げてはならない。まず、意見が一致している問題からはじめ。それを絶えず強調しながら話を進める。互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを、相手に理解させるようにし、違いはただその方法だけだと強調するのである。

本書:P199

たしかに、意見が対立している相手と話をするときに、相違点にばかり着目して自分の主張の方が正しい、と言うばかりでは相手の態度はどんどん頑なになってまとまるものもまとまらない、ということになりがちです。僕も会社の中で意見対立がある時にそういう状況に陥ってしまって自分が頑なになってしまった経験があるし、相手をそうさせてしまったこともあるなあ、と思いました。

僕がやらなければいけなかったことは、まず、「僕たちはお互いに会社を良くしたいんだよね」とか「目指すべきものは、お客さんの利益だよね」といったスタンスをはっきりさせながら、その目的のためにお互い言っていることは違うけど歩み寄ったり妥協できるポイントはどこだろう?と一緒に探すということだったのだろうと思います。

今度、意見が対立するようなことがあったら是非試してみたいと思います。

⑥ しゃべらせる~相手にしゃべらせる。

この章では、営業のような場面で良い結果を得るためには、また家庭内で家族同士の距離を縮めたいのであれば、相手にしゃべらせろと、ということが語られています。

僕も営業で客先に行った時、できるだけ相手の話を聞くようには心掛けていますが、それが十分であるかどうかは難しいところです。相手によって、ついつい自分だけ急いでしゃべって帰ってきてしまう、ということがあります。それでは相手の心には響かないよなあ、と反省します。

本書では自動車の内装織物のセールスマンの話が紹介されています。自動車会社へプレゼンに赴くのですが、のどの調子が悪くて全く声が出ない。すると自動車会社の社長が代弁してくれて、勝手に製品の長所を並べたてて味方になってくれ、重役たちの間でも活発な意見が出て見事受注に結び付いたというのです。わざとこんな状況を作ることは難しいと思いますが、相手に話させるということは、能動的に考えてもらう、ということでもあり、考えたからにはポジティブな方向に帰結させたい、という感情が人間には起きやすいのかもしれません。

また、もちろん家族や恋人、友人同士でも、まずしっかり話を聞くというのが良い関係性を築くうえでは重要なのだと思います。僕なんかもともすれば生活の慌ただしさの中でそういったことを丁寧にできなくなってしまうのですが、自分の人生をしっかり見つめるためにも人の話を(たとえば家族の話を)聞く、というのが日々の中にしおりを挟むようにその時々をかみしめるために必要なのかもしれません。

⑦ 思いつかせる~相手に思いつかせる。

人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうを、我々は、はるかに大切にするものである。すると、人に自分の意見を押しつけようとするのは、そもそも間違いだと言える。暗示を与えて、結論は相手に出させる方が、よほど利口だ

本書:P214

これはなかなか高等テクニックに思えますが、是非自分なりに取り入れられたら、と思います。

たぶん僕が取り入れられるとしたら、打算的に何か暗示を与えたり、と言うのは難しそうなので、「相手に相談してしまう」ということかなあ、と思っています。自分が営業として販売しているものを、お客さんに対して「これ、こういう良い点があるんですけどあまり売れないんですよ。どうやったら売れると思いますか?」と聞いてみるとか。たとえば子供になにかやめてほしいことがあったとき、「どうやったらそれ(やってはいけないこと)をやめられると思う?」と聞いてみるとか。こちらから一方的に何かを言うのはきっとうまく行かないことが多いんだろう、と思いました。

⑧ 人の身になる。

これも、章のタイトルを読んだまま、大事だよね~、といった内容ですが大事なのに出来ていないことの一つだと思います。

相手の考え、行動には、それぞれ、相当の理由があるはずだ。その理由を探し出さねばならない―――そうすれば、相手の行動、相手の性格に対する鍵まで握ることまでできる。

本当に、相手の身になってみることだ。

本書:P223

僕が営業としてお客さんと対するときにも是非もっと意識していきたい内容だな、と思いました。

相手は相手で困りごとがあったりして、その身に立ってみた時に、「この製品があるとこんなに便利になりますよ」といった本当に相手の欲求と合致した提案ができると良いんだろうなあ、と思います。そういう提案ができて、採用された時には、ただの「商売」というものを超えて人間同士分かり合えたといった感覚になれることがあります。いつもそんな仕事ばかりだと良いのですが(笑)。でも、常に相手の立場に立つことを意識していれば、そういった関係になれる頻度が高くなるのかもしれない、と思います。

もちろん、家族などの近しい人たちとの関係の中でも相手の身になる、というのはとても大事なんだと思います。

今日のまとめ

今日は

⑤ ”イエス”と答えられる問題を選ぶ~相手が即座に”イエス”と答える問題を選ぶ。

⑥ しゃべらせる~相手にしゃべらせる。

⑦ 思いつかせる~相手に思いつかせる

⑧ 人の身になる。

について勉強しました。

読んでいると、家庭内のようなものすごく身近なところから、仕事など社会の中での人間関係まで、幅広く役に立つ(というと打算的で冷たい感じがしますが)人生を豊かにするようなアイデアがたくさん書かれているなあ、と思います。

おそらくこれらの方法は必ずどんな場面でも適用できる、というものでもなく相手によってはどうにもならない、ということもあるんだと思います。でも、そういった人は割合としては少ないし、多くの場面で事態を好転させる力がありそうに思われます。

次回もパート3『人を説得する十二原則』の続きです。宜しくお願いします。

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