『人を動かす 』D・カーネギー 著  山口博 訳 創元社        その3(パート2 人に好かれる六原則のうちの4~6)

本の紹介

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『人を動かす』を少しずつ読んで紹介しています。

この本を読んで、その説かれていることを少しずつ実践することも始めています。

僕は、たとえば核兵器廃絶の運動をしたら世界中の独裁者がそれに賛同してみんなが核廃絶をするだろう、と思えるほどには楽観的ではあり得ませんが、カーネギーの言葉を実践したら自分の身の回りが少しだけ幸せになるかもしれない、と思えるほどには楽観的なのです。

人に好かれる六原則

2パート目は 「人に好かれる六原則 」ですが、今日は④~⑥までを紹介したいと思います。

(①~③は『人を動かす 』D・カーネギー 著  山口博 訳 創元社 その2(パート2 人に好かれる六原則のうちの1~3) | 雨の星 探検記 (amenohoshi.com)

① 誠実な関心を寄せる。

② 笑顔を忘れない~笑顔で接する。

③ 名前を覚える~名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない。

④ 聞き手にまわる

⑤ 関心のありかを見抜く~相手の関心を見抜いて話題にする。

⑥ 心からほめる~重要感を与える―――誠意を込めて。

④ 聞き手にまわる

タイトルの通りですが、ここでは人の話を聞く(それも熱心に心をこめて)ことの重要性が書かれています。

ジャックウッドフォードという人の言葉。

「どんなほめ言葉にも惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聞き手には惑わされる」

本書:P113

チャールズ・エリオット博士。

「商談には特に秘訣などというものはない……ただ、相手の話に耳を傾けることが大切だ。どんなお世辞にも、これほどの効果はない」

本書:P114

また、人の話を聞くことの重要性を示す例として、以下のような話が書かれていました。

電話局に対するモンスタークレイマーのような男がいて、電話料金の滞納や電話局への訴訟を起こしたりしていました。ついに紛争解決の名人が派遣されました。彼は4回にわたる訪問の中でしっかり話を聞いてあげました。すると、クレイマーの男は最後には名人のことを親友のように扱い、滞納していた料金を払い、訴訟を取り下げるまでになったとか。

この章でも、人間は他人への興味よりも自分自身への興味・執着が最大のものである、ということが話の背景にあります。だからこそ、人は自分の話をしっかりと聞いてくれることを好きにならずにいられないのでしょう。

僕は、どちらかというと口下手で、自分から話をするのが苦手な方です。その分、人の話を聞くことが多いし、好きです。でも、この章を読んでいて、僕には相手への関心がもう少し足りていないのではないかな、と反省しました。もっと、相手に寄り添って話を引き出すことをしていきたいな、と思います。普段の仕事が営業なので、こういったことをもっと意識しないといけないなあ、と思っています。

最近(と言ってもここ数日ですが)、小6の息子の話を聞くように心がけています。不思議と、こちらが話を聞くような気持を持っていると息子の方も話を良くしてくれます。そして、能動的に話を聞くということで僕自身も彼への興味や共感を今まで以上に抱いているということに気づきました。

家族だからこそ、存在が当たり前になってしまうことってあると思うのですが、お互いの存在を当たり前とは考えずに、新鮮な興味を持って接することができたら家族の関係性も新しいより良い姿を見せてくれるのではないかと、今、期待しています。

⑤ 関心のありかを見抜く~相手の関心を見抜いて話題にする。

このパ―トでは、人と仲良くなりたかったら、相手が関心を持っている話題で話をしようね、ということを教えてくれています。

冒頭で、ルーズヴェルト大統領の逸話が紹介されています。

ルーズヴェルトは、相手がカウボーイであろうと義勇騎兵隊員であろうと、あるいはまた、政治や、外交官、その他誰であろうと、その人に適した話題を豊富にもちあわせていた。

では、どうしてそういう芸当ができたか。種を明かせば簡単だ。ルーズヴェルトは、誰か訪ねくる人があるとわかれば、その人の特に好きそうな問題について、前の晩に遅くまでかかって研究しておいたのである。

本書:P125

そこまでするか!という感じもしますが、偉い人ほどそういう努力をしているのかもしれないですね。僕のような平民(平民て!)であればなおさら、そういう努力が必要そうです。

確かに、誰かと話をしている時に何かしら共通の話題(特に自分の関心がある話題)があるかないかでその人のと仲良くなれるかどうかというのはだいぶ変わってきますよね。

是非見習いたいポイントです。

また僕の家族の例ですが、子供たちが関心を持っているアニメや漫画やライトノベルの話などに、今まで以上に僕も興味を持とう、と思っています。

『鬼滅の刃』や『約束のネバーランド』、『呪術廻戦』、『僕のヒーローアカデミア』、『からかい上手の高木さん』『ソードアートオンライン』などなど、こういった話題を共有することでやはり少し距離が縮まる感じがします(時間が有り余っている彼らと比べて僕がフォローできる範囲は狭いですが)。また、自分の知らない世界を知ることで、僕の世界も広がっていくのを感じます。リアルな世界の広さは決まっているけれど、心の中の世界は無限に広がるのです。

そういえば、息子の塾の先生も子供たちと話を合わせるために膨大な漫画を読んでいると言っていました。きっと嫌いではないのでしょうが、その努力はすごいなあ、と思いました。

自分がいままで興味を持っていなかったことでも、そこには必ず面白さがあるのだと思って、人と距離を縮めるためにも、また自分の世界を広げてるためにも積極的に興味を持っていけたら、と思います。

⑥ 心からほめる~重要感を与える―――誠意を込めて。

この章で語られることは、人は誰でも自分が重要な存在であると思いたがっている。その人が大事に思っていたり誇っている物事に心から感心してほめることが大事だよ、といったことだと思います。

『人を動かす 』D・カーネギー 著  山口博 訳 創元社 その1(パート1 人を動かす3原則) | 雨の星 探検記 (amenohoshi.com)

この内容は、↑で語られていることの続編のような感じですが、とても大事なことだと思いました。

適当に褒めるのではなく、その人の存在を認めたうえで、その人の一番大事にしていること、素晴らしいことを褒めるようになれたらいいな、と思います。

カーネギー自身の体験談として、郵便局の局員の男性の綺麗な髪の毛を心を込めて褒めたことがあると紹介されています。男性はやはり自分自身でも髪の毛を誇りにしていたようで、大変うれしそうにしてくれたそうです。そのやりとりをしたことで、男性も喜んでくれたばかりか、カーネギー自身もうれしい気持ちになったと書かれています。カーネギーは何か見返りや報酬を求めてほめたわけではないとしながらも、

いや、実は、私もやはり報酬を望んでいたのだ。私の望んでいたのは、金では買えないものだ。そして、確かにそれを手に入れた。彼のために尽くしてやり、しかも彼には何の負担もかけなかったというすがすがしい気持ちが、それだ。こういう気持ちは、いつまでも楽しい思い出となって残るものなのである。

本書:P133

もしかすると、商談をうまくすすめたいなどの打算的な気持ちがあって他人をほめたりすることもあるかもしれません。でも、そこに「本当の気持ち」が含まれていれば結果的には相手の心に響いて、お互いにとって良い結果にすることができるのではないでしょうか。

今日のまとめ

今日は

④ 聞き手にまわる

⑤ 関心のありかを見抜く~相手の関心を見抜いて話題にする。

⑥ 心からほめる~重要感を与える―――誠意を込めて。

について勉強しました。

この本では、人間はいかに自分だけに興味があって、褒められたりわかったりしてほしい存在なのか、ということが繰り返し語られています。

人間て(自分も含めて)しょーも無いな、とも少し思いますが、それが我々であり、その特性を分かったうえでお互いに率直な気持ちで相手に関心を持ち、働きかけ合うというのはとても素晴らしいことなんだろう、と感じています。

次回はパート3『人を説得する十二原則』に入っていきたいと思います。

(どんどん原則の数が増えていく!(笑))

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